工具が抜け落ちテーパがキズついた 立型マシニングセンタの主軸テーパ研磨・セルフ研磨

ご依頼の際の状況

加工中にプログラムミスをしてしまい、工具が加工物と2度衝突をしてしまった

その衝突の際にコレットが破損し、主軸の回転が止まらないまま工具が抜け落ち
工具ホルダの一部が主軸テーパに溶着し、飛び出たキズとなって工具がつけられない(加工ができない)状態となってしまった

ご依頼に対する対応

コレット自体はお客様がメーカー交換をお願いされ、その後に主軸テーパ研磨となりました

研磨時にまず、工具ホルダが溶着した部分を研磨で落とし、その後に衝突の際に発生したテーパの歪み(下部左写真)を
正規のテーパ角度になるよう主軸テーパ研磨(セルフ研磨)を実施しました

研磨時のテーパ(ホルダ溶着の飛び出たキズを研磨した後の状態)

研磨後のテーパ

研磨時の状況やお客様の要望

まずは、テーパ内に溶着した工具ホルダのキズを落とし、検査道具が入れられる状態にいたしました

溶着を取った後に検査道具で確認すると、テーパ口元と奥の同じ方向に楕円・凹み(お客様が言われた2度の衝突と思われる)がありました
この振れ精度に大きく影響する凹みキズを(テーパ研磨量を最小限にしつつ)研磨いたしました

ツール長300mmにて平均0.01mmの振れ精度になり、テーパのアタリも良くなりましたが、
テーパ口元の抉れた凹みキズ残りが振れ精度に若干影響を及ぼしているようでした

テーパ口元の抉れた凹みキズは研磨でも取り切れる量でなく、テーパ焼入層(研磨取り代)・今後の研磨可能回数も考慮し、
お客様と相談の上、作業完了といたしました