[特急依頼] OKUMA MCR-A5C(BT50) 主軸テーパ研磨・セルフ研磨
ご依頼の際の状況
加工時に早送りにて工具と加工物が衝突し、そのまま負荷がかかり主軸テーパが大きく楕円になってしまったとの事でした。
振れ精度も非常に悪くなってしまいこのままでは加工ができないが、3日後からは加工のスケジュールが詰まっている為
超特急で主軸テーパの問題を解決し、精度物加工ができるようにしたいと主軸テーパ研磨をご依頼されました。
研磨時の状態やご要望
最初にお問い合わせを受けた段階で、衝突による被害・振れ発生の問題が主軸テーパによるものか確認をさせていただきました。
非常に大きな衝突の場合、主軸テーパだけでなく主軸ベアリングに損傷が発生するケースや、工具抜け落ちて主軸テーパに工具ホルダーが溶着するケース、主軸コレットまで破損してしまうケースなど様々なことが考えられます。
超特急での状況改善をご希望された為、まず電話にて主軸テーパの状況や主軸ベアリング損傷有無を確認方法をご説明し
お客様にて現状が主軸テーパの問題のみか確認していただいた上で、セルフ研磨実施いたしました。
重切削での荒加工も、精度を求める仕上げ加工もされるとのことでした。工具把握力(クランプ力)が落ちすぎない範囲で、振れ精度をセルフ研磨・テーパ研磨で調整可能な限界まで改善してほしい(10μ/300mmの精度をご希望)とのご要望でした。
研磨前テーパでは、テーパ全体に大きく楕円(テーパ口元で200μ程度)になっており、精度改善には非常に大きくテーパ研磨し、主軸テーパを真円に戻す必要がありました。
研磨後の状況・結果
研磨前の振れ精度700μ/300mm(0.7mm/300mm)から、研磨後10μ/300mmと改善いたしました。 また研磨後のアタリ95%(工具密着度)でした。
テーパ研磨をたくさん行うと(精度限界はありますが)振れ精度は改善します、しかしそれによってテーパ径が大きくなる為に工具把握力(クランプ力)がどんどん低下してしまします。「研磨による精度回復」と「研磨によるクランプ力低下」は常に合わさっています。
お客様のご要望を踏まえた上で、テーパ研磨の都度現状の工具把握力(クランプ力)と振れ精度を確認し、更に研磨を進める(精度を求める)かお客様と相談し作業を進めていきました。
匠製作所では、お客様のご依頼状況に応じて電話などで事前状況を確認し、懸念やリスクも伝えた上で極力お客様のご要望に沿えるよう主軸テーパ研磨・セルフ研磨を行っています。