エンシュウ 立MC S400(BT40)主軸テーパ研磨・セルフ研磨

ご依頼の際の状況

長年マシニングを使用しており、振れが大きく加工精度が出ない為、セルフ研磨にて振れ精度を改善したいとのことでした。

研磨時の状態やお客様の要望

研磨前テーパ口元(大径側)に工具が抜け落ちた際にできるような抉れキズが見られ、そのキズを取る為かテーパ全体をリューターなどで削ってしまった跡が見られました。

お客様がテーパ全体を無理に削ってしまっている為、正規のテーパ角度に研磨するにはお客様が削りすぎた部分に合わせてテーパ全体を多く研磨しなければいけないことをお伝えしました。

また、それによってテーパ径がかなり大きくなり、クランプ力(工具把握力)も低下する可能性をお伝えした上で作業いたしました。

研磨前のテーパ(テーパ全体に擦り傷)
研磨後のテーパ(テーパ部のオレンジ色は光明丹によるアタリ確認)

研磨結果など

研磨前の振れ100μ/300mm程度に対して、研磨後10μ/300mmまで振れ精度が改善いたしました。

研磨後の主軸テーパは全体がオレンジ色(光明丹)がつき、工具との密着度(アタリ)も95%と改善いたしました。

テーパ内に一部研磨しきれない凹み傷が残りましたが、振れ精度にはあまり影響がない事をご説明し作業完了といたしました。

お客様自身の手作業でテーパを擦る・削る等しても、テーパの正規角度になることはほぼありません。

手作業でホルダー溶着などの飛び出た傷を取ることはできますが、それ以上にテーパ角度を狂わせてしまい振れ精度が悪くなり、後々でセルフ研磨となった場合にも研磨量が多くなる・クランプ力極端な低下など良いことはあまりありません。

衝突や工具抜け落ちテーパ内に傷が発生した場合など、ご自身でテーパを擦られる前に匠製作所へ一度お問い合わせください。

空きスケジュールでの最短作業などご要望に沿えるよう努力いたします。