三菱 横MC M-H50E(BT50)主軸テーパ研磨・セルフ研磨

ご依頼の際の状況

これまで鋳物の荒加工に長年使われ、主軸テーパも広がってしまいアタリ(工具密着度)が低下していったと思われます。

(クランプ力もかなり低下していたと考えられますが)加工中に工具が抜け落ちてしまい、主軸テーパに工具ホルダーが溶着し、マシニングセンタが使用できなくなってしまったようです。

研磨時の状態やお客様の要望

テーパ内には、工具が抜け落ちたホルダー溶着(飛び出た傷)や抉れた傷(凹み傷)や、キリコが工具と主軸テーパの間に入ってできた打痕も見られました。

(クランプ力の調整などはセルフ研磨前に既にされていた為)主軸テーパ研磨・セルフ研磨で振れ精度を出来る限り改善されたいとのことでした。

研磨前のテーパ(テーパ全体に打痕、奥と口元に溶着と抉れ傷)
研磨後のテーパ(テーパ内のオレンジ色は光明丹によるアタリ確認)

研磨結果など

研磨前の振れ測定不能(工具抜け落ち前は80μ/300mm程度?)に対して、研磨後10μ以下/300mmまで振れ精度が改善いたしました。

研磨後の主軸テーパは全体がオレンジ色(光明丹)がつき、工具との密着度(アタリ)も95%と改善いたしました。

テーパ内に一部工具による抉れ傷(凹み傷)残りがありますが、これ以上の研磨は振れ精度も極端に良くならない事と、今後の研磨シロへの影響もご説明しお客様も振れ精度に満足され作業完了といたしました。

匠製作所では、極力ご要望に沿えるよう研磨調整をしながらも、無理なテーパ研磨は極力行わないような作業を行っております。