前の持主がかなり無茶な修理をしていたと思われる主軸テーパ再研磨・セルフ研磨 三菱 M-V5C(BT40)

ご依頼の際の状況

廃業された同業者よりお客様が引き取って使おうとされたマシニングセンタです。
工具がビビって加工ができない(アタリがない)、工具交換ができない、クランプ力(工具把握力)が全くないなど多々不具合があることがわかり
メーカーに修理を依頼され、その一環として弊社のテーパ研磨・セルフ研磨でのテーパのアタリ(工具密着度)改善をご依頼されました。

研磨時の状態やお客様の要望

研磨実施時にはメーカー様でクランプ力調整(皿バネ等交換)をされていましたが、クランプ力既定値の下限値までしか改善できなかったとのことでした。
研磨前に主軸テーパの状況・状態を確認したところ、前の持主が過去にどこかの業者で無茶な修理をされていると思われるほど
主軸テーパが奥に入り込んでいる(無理なテーパを研磨された可能性大)状態でした。
その為、クランプ力調整をされてもクランプ力があまり出ず、テーパ研磨シロもほぼ無い、アタリが悪いが少しでも研磨をするとクランプ力がほぼ無くなる状況がわかり
お客様にご説明した上、クランプ力を下げない範囲の限界で研磨をしてアタリを少しでも増やすこととなりました。

研磨前のテーパ
研磨後のアタリ検査(テーパ部オレンジ色は光明丹)テーパ全体の2/3しか研磨できず

研磨結果など

研磨前振れは150μ程度/300mm アタリ0~5%程度、研磨後振れ20~30μ程度/300mm アタリ30~40%(研磨できた範囲がテーパの60%、口元30%は研磨できず)となりました。
これ以上研磨をするとクランプ力がほぼ無くなる事、クランプ力調整したばかりでクランプ力がほぼ無いため(クランプ力調整の限界)
クランプ力調整も無理なことをお伝えした上でこのアタリが研磨できる範囲で限界なことをご説明し作業完了となりました。

専門的にマシニングセンタの主軸テーパ研磨をしていない会社でも、その場しのぎのテーパ研磨を受けられることがあるようですが
大事なマシニングセンタを長く精度良く使われるために、より経験のある専門的な会社での主軸テーパ・セルフ研磨をご依頼されることをお勧めしております。