エンシュウ JE60横MC BT40主軸テーパ研磨・セルフ研磨

ご依頼の際の状況

加工時に工具と加工物が衝突し、工具のプルスタットボルトが折れ、そのまま工具が抜け落ちてしまった。

その際に工具ホルダーが主軸テーパの中を傷つけてしまい、(工具ホルダー側が負けて主軸テーパ側に溶着)飛び出た傷となり、工具取り付けができなくなった。

加工スケジュールが詰まっている為、早急に主軸テーパの飛び出た傷を取り除いて(振れ精度を元の状態に近づけ)加工に戻りたいとのこと

研磨時の状態

過去(7年前)に一度セルフ研磨を実施しており、今回のテーパ研磨・セルフ研磨で主軸テーパ内の焼入層が更に減ってしまうことをお伝えしました。

また、前回のセルフ研磨時からクランプ力調整や主軸ベアリング含め一度も部品交換などされていないとの事でしたので、前回(セルフ研磨後の振れ精度 10μ/300mm)ほどは精度が改善しない可能性がありました。

また今回の衝突とは関係なく、主軸テーパ内のキー下(テーパ口元・大径側)がテーパ角度から明らかに違う角度(逃がしたよう)に元々なっていました。

こちらも、テーパ内の抉れたキズと合わせてテーパ内のアタリ面積が少なくなり振れ精度に影響がある可能性もお伝えいたしまし作業を実施いたしました。

研磨前のテーパ

研磨後のテーパ

研磨結果

研磨前のテーパ内飛び出たキズが、テーパ奥(小径側)0.11mm テーパ口元のキー上(大径側)0.03mm程度ありました。

このキズをセルフ研磨で取り、その後これまでの使用で変わってしまったテーパ角度(広がり)を、正規のテーパ角度にセルフ研磨で合わせることで

アタリが(研磨可能部分で)95%程度、振れが15μ/300mmとなりました。

主軸テーパ内に付着した工具ホルダ溶着(飛び出たキズ)はなくなり、残り(研磨後テーパ写真のテーパ部・黒い傷)は研磨では取り切れない凹みキズのみとなり作業完了といたしました。

以前に主軸テーパ研磨・セルフ研磨で伺った事もあり、衝突発生後テーパ内の傷をご自分で擦られる事なくすぐにご連絡くださったことも、セルフ研磨でそこそこの振れ精度まで改善することができました。

またその際に、加工が控えていて早急に修理を希望されている事も要望として連絡くださった為

お問い合わせの1時間後には、お見積もり提出、弊社の修理スケジュールとお客様の希望スケジュールすり合わせを完了し、お問い合わせ翌日の出張修理となりました。

弊社ではスケジュールの空きがありましたら、早急・特急の主軸テーパ研磨・セルフ研磨出張もしております。

また、お問い合わせ・お見積もり提出・スケジュール調整までスピーディーに出来るよう努力しております。