三菱・門型マシニングセンタM-VR 主軸テーパ・セルフ研磨

ご依頼の際の状況

M-VRにて加工精度不良が発生しており、メーカー様による機械全体の精度調整と共に主軸テーパもセルフ研磨して

加工精度不良の原因調査・改善をしたいとのご依頼でした。

今回は門型機のアタッチメント主軸テーパ研磨でした。

研磨前の状況やお客様のご要望など

研磨前の主軸テーパは、テーパ口元(大径側)が大きくテーパ角度が変わってしまい

キー下ほぼ全面にアタリ(工具密着度)がなくなっていることが分かります。

テーパ口元にアタリがない状態ではBBT二面拘束としてテーパと端面にうまく工具が密着しないことをお伝えしました。

BBTとして機能させるためには、テーパ口元側の傷はほぼ全面研磨する必要がある事、その為にはテーパ全体をかなり研磨し

クランプ力(工具把握力)が大きく低下してしまう可能性がある事、また主軸端面部の焼入層がかなり減ってしまうこともお伝えしました。

研磨前テーパ
研磨後テーパ
研磨後のテーパおよび端面

研磨時の状況や研磨後の結果

テーパ研磨後の振れ精度は、BTテストバーにて10μ以下/300mmとなりました。

その後、主軸端面をBBTの規格に合わせて研磨し、BBTテストバーにて5μ/300mmとなりました。

研磨後のテーパ口元にまだ楕円の凹みキズが残っていましたが、端面部の焼入層を残す(今後の研磨シロを残す)程度で研磨を終了いたしました。

BBT規格の中でも主軸端面部が工具と少し強く密着するようにし、BBTとしての振れが収まりやすいような調整といたしました。

弊社ではBBT修理において、お客様の優先して使われる工具(BBT or BT)を伺った上で、

BTとBBTどちらを極力優先したテーパ+端面研磨にするかお客様のご要望なども加味して実施しております。