三菱 M-VR アタッチメント主軸(BT50) 主軸テーパ研磨・セルフ研磨

ご依頼の際の状況

過去に何度か別業者様で主軸テーパ・セルフ研磨を実施されたことがあるアタッチメント主軸との事でした。

その際のテーパ研磨量や研磨回数などを調べてもらいましたが報告書などの資料がなく、業者様自体も廃業されたかもしれないとの事で情報が一切ない状況でした。

研磨前後の状態やご要望

弊社のBT模範やお客様の工具を使って、過去にどの程度研磨したか予想したところ

研磨回数は不明ですが、かなりテーパ研磨されておりテーパ内の焼入層がかなり少なくなっていることがわかりました。

またその研磨により(工具がかなり主軸側に入り込み)主軸の端面とBT50工具の隙間が1mmしかない状態でした。

(BT50の主軸端面と工具ツバ隙間量などにつきましては、弊社HP内の一般知識「BTとBBTの違い」をご覧ください)

研磨前のテーパ
研磨後のテーパ(テーパ内オレンジは光明丹によるアタリ確認)

研磨時の状況・結果

研磨前のアタリ(工具密着度)60~70%、研磨前写真のテーパ口元(大径側)が茶色に錆びておりました。

テーパを30μ程度研磨し、振れは研磨後10μ以下/300mmと改善いたしました。

研磨後、テーパ内のキー下(研磨後写真の右側部分)に大きな凹みキズが残っていますが

これ以上研磨するとテーパ焼入層が、過去の研磨と合わせてほぼ無くなってしまうためお客様との相談の上、作業完了いたしました。

また、主軸端面部に工具ツバの当たっている跡があり、お持ちの工具を確認したところBBT工具も使用されておりました。

研磨前の状態でも主軸とBBT工具はテーパ部が密着せず、端面部のみ工具が当たって加工していましたが

今回の研磨で更にBBT工具は主軸端面に強く当たるようになってしまったため、BBT工具を絶対に使用できないことをお伝えさせていただきました。

本来であれば、前業者様がセルフ研磨を行った時点で既にBBT工具が使えない状態でしたが

テーパ研磨量をデータとして残されていない・研磨での懸念や研磨後の注意などをされていなかったようです。

匠製作所の主軸テーパ研磨では、研磨量だけをデータとして残すだけでなく今後注意しなければいけない点なども図などで分かりやすくお伝えし、

書面にも残した上でお客様にご理解していただけるよう努力しております。