MAZAK製 FH12800(BT50) 主軸テーパ研磨・セルフ研磨

ご依頼の際の状況

現在加工していて振れ精度(60μ/300mm)が悪く、加工精度が安定しない。

また工具交換ATC時に主軸テーパに工具が擦れて入るのか、長物重量ツールによるものなのか

主軸テーパがオリエントをした際Y軸下方向にダレており、テーパ研磨によりその問題を改善したいとご依頼されました。

研磨前後の状態やご要望

研磨前のテーパの状態を確認すると、写真でも見られるようにテーパ口元の下側が白くなっている(擦れている)ことと

テーパ内の全体に打痕(丸い凹みキズ)がかなり見られました。

研磨前の段階でクランプ力が14.3kNと低め(規定値20kN前後)でした。

研磨前のテーパ
研磨後のテーパ

テーパ内の高い傷がないように軽くセルフ研磨したあとにテーパ内の凹みキズの深さをピックテスターで計測し

どの程度テーパを研磨すれば凹みキズやテーパ口元のダレが改善するかをお客さまにお伝えしました。

またその状況でのクランプ力低下の予想もお伝えした上で、凹みキズ等を取るようセルフ研磨を実施しました。

研磨時の結果

研磨後アタリ95%に改善いたしまし、振れは10μ以下/300mmとかなり改善をいたしました。

またクランプ力は通常のセルフ研磨では低下しますが、今回は研磨したことによる低下よりも(研磨量が極少量だったため)テーパ密着度が増し

クランプ力が15kNに見かけ上増加しました。

セルフ研磨後、工具クランプ力は必ず低下(最悪クランプしなくなる)しますが、

テーパ研磨量が少なくアタリが改善した場合はこのように数字上クランプが増えたようにみえる場合があります。

そのような状況も匠製作所では必ずお客様にお伝えしております。