OKK HM500S 横型マシニングセンタの主軸テーパ研磨・セルフ研磨

ご依頼の際の状況

加工中に工具が衝突し主軸テーパを傷つけながら抜け落ちてしまった。

工具が主軸テーパに取り付けられない状況になってしまったが

加工スケジュールが詰まっていた事から、細目の砥石で高い(飛び出た)傷を軽く落として

工具を取り付けられるようにし、加工に移ろうとした。

しかし、テーパ内の傷を落とす作業を手で行ったためか、うまく工具と主軸テーパのアタリが付かず(振れ精度が収まらず)

セルフ研磨での調整を特急依頼(翌日修理)されることとなった。

ご依頼・ご要望に対する対応

マシニングセンタテーブル□500mmの上に加工用の治具テーブルが載っており

極力治具テーブルを外さずにセルフ研磨をしてほしいとの要望でした

また、長物ツールを使い精度物の加工をされていることから10μ/300mm以下に振れ精度を収めたいとの事でした。

治具テーブルに関しては、取り外しをしなくても、研磨機設置のスペース確保が可能であったので

治具テーブル上に研磨機を設置して作業を開始いたしました。

振れ精度に関しては、事前にテーパ傷を落とされることにより、主軸テーパの角度がかなり変わってしまっている可能性や

事前に砥石で擦られた部分のみ通常のテーパ角度よりも逃げている・事前に擦られている部分まで大きく研磨しなければいけない可能性をお伝えし、

クランプ力の低下やテーパ内の焼入層の減少を懸念としてお伝えした上で作業実施いたしました。

研磨前のテーパ

研磨後のテーパ

研磨時の状況や結果

テーパ口元にお客様が気づかなかった飛び出たキズがあり、それを研磨した後

テーパ全体を研磨しながらお客様の擦られたテーパ奥まで全体としてテーパ角度が戻るよう調整をいたしました。

また、お客様のご要望の振れ精度まで収まるようクランプ力を都度確認しながら微調整を繰り返し

5μ/300mmの振れ精度、アタリ95%にした上でお客様もご納得の結果にて作業完了いたしました。

工具が主軸テーパを傷つけてしまった場合、そのまま次の工具を取り付けて加工ができません。

主軸テーパの飛び出た傷を落として工具を取り付けてしまえばと思われ、

(特に後の加工スケジュールが詰まっている場合)実施するお客様のお気持ちもわかります。

ですが、人の手などで行ったテーパ面(曲面+角度あり)の擦り合わせは殆どうまく直ることはありません。

弊社では、その時々の可能な最短修理納期をご提案させていただきますので、

ご自身でテーパ傷を擦られる前に、まずお電話でも結構ですのでお問い合わせだくさい。

勿論、定期メンテナンスでの計画修理の場合も大雑把な予定をお問い合わせいただけましたら

作業可能かお伝え・相談させていただきます。