主軸テーパ研磨・セルフ研磨を実施する際のマシニングセンタのレベルや精度ついて
マシニングセンタのレベルやXYZの動きが悪い場合、主軸テーパ研磨・セルフ研磨が出来るか否かについてのお話です。
弊社へのお問い合わせで「精度調整していないマシニングセンタですがセルフ研磨できますか?」と懸念されることがあります。
あくまでも弊社のセルフ研磨方式での話となります。(他業者様では同様とはいかない場合があります)
まず、簡潔にレベルやXYZの動きが悪いマシニングセンタでも弊社のセルフ研磨は作業可能です。
勿論、機械精度が良い状態の方がセルフ研磨も作業しやすいですが
弊社の方式では、セルフ研磨中はマシニングセンタのXYZを動かす事がほぼないからです。
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もう少し細かい話になります。
(弊社では)研磨中はマシニングセンタ側は主軸回転のみさせ、弊社の研磨機側が「主軸テーパの角度に沿って動く」・「切り込む」からです。
マシニングセンタテーブルに研磨機を設置しますし、段取り段階ではXYZを動かしますので
XYZの動きが悪い・バックラッシュが酷いなどは段取りに手間取ってしまいますが
研磨作業中はマシニングセンタ側はXYZが動きませんので
研磨機の(主軸テーパ角度に合わせた)動き・精度を主軸テーパ側へ転写している状態になります。
またレベルが出ていない場合も同様に、研磨機を設置したその場に対して主軸への角度に合わせて研磨機を調整し研磨します。
セルフ研磨後にレベル出しやXYZの調整・主軸(コラム)の倒れや傾きは直された方が、実際の加工では加工精度がより出るかと思います。
(詳しくは分かりませんが)他社様の簡易研磨機で研磨機の砥石を回転させるのみで、マシニングセンタ主軸のX(又はY)Zを動かしてテーパ角度に研磨するタイプや研磨の切り込みをマシニングセンタテーブル側を動かす方式では
マシニングセンタのXYZの動きが悪い場合はうまく精度が出ない・機械精度調整後にテーパ研磨した方が良いと思われます。
主軸テーパのセルフ研磨で確認・調整できる事は(テストバーでの)静的振れ精度・テーパ角度の調整です。
大物の加工などでは機械レベル調整なども加工精度全体の改善には必要になってくると思われます。