マシニングセンタなどの主軸テーパの規格
ご存じの方も多いと思いますが、稀に現場で聞かれる事(と匠製作所の経験)をお伝えいたします
主軸テーパには様々な規格があり、その一部ですが一般的な工作機械の主軸に使われている規格BT/BBT(NT)が通常セルフ研磨可能です
(上記図の斜線部が主軸テーパと工具が密着する部分となります、またBT工具はBBT工具と見分けやすくするために工具のツバを描いておりません
また、主軸のコレットやコッター穴など、特殊タイプのHSKを除いて描いておりません)
BT:主軸と工具がテーパのみで密着(+主軸コレットが工具プルスタットボルトを引っ張る) テーパのサイズ(長さと径)によりBT30/40/50/60などがある
BBT:主軸と工具がテーパと端面の2カ所で密着(+主軸コレットが工具プルスタットボルトを引っ張る)
多くは二面拘束と呼ばれ、BigPlus(大昭和製)やNBT(日研製)とも呼ばれています
テーパ角度はBTと同じ
NT:主軸と工具がテーパのみで密着(+主軸ドローバーが工具を締め引っ張る)
汎用機やNCフライスなどに私用されている事が多い
またドローバーもインチネジ・ミリネジタイプと機械それぞれ違います
テーパ角度はBTと同じ
MT:主軸と工具がテーパのみで密着
工具が穴に刺さっているだけで工具の抜き穴(コッター穴)がついているタイプが多いが
ドローバーで工具を締め引っ張るタイプもあります
汎用機やボール盤に多く、テーパー角度がBTよりもストレートに近い
NC5:主軸と工具がテーパと端面の2カ所で密着(+主軸コレットが工具プルスタットボルトを引っ張る)
日研製の二面拘束ですが、テーパー角度がBTよりもストレートに近い
HSK:主軸と工具がテーパと端面の2カ所で密着(テーパ内に飛び出たコレットが工具内側からテーパ側に広げて密着する)
テーパー角度がBTよりもストレートに近い
マシニングセンタ導入時に、これまでと違う主軸テーパ規格にしてしまうとお持ちの工具ホルダーが使えないなどの問題もでてきます
また、BT工具プルスタットボルトにも似ているようで違いがあります、このプルスタットボルトの違いや違うものを使った場合の問題も今後記載いたします