BTとBBTの規格や違いについて、またBT40とBT50の違いについて

ご存じの方も多いと思いますが、稀に現場で聞かれる事(と匠製作所の経験)をお伝えいたします。
BBT主軸かBT主軸を単純に見分けられれば良い場合や、長い説明など不要という方の為に、
まずは簡単に (文面で読むより更に簡単にという場合はお電話ください)

工具がBTかBBTか判断するには、カタログを見る、又は工具ツバ部分に印字されています。
BBTやNBTなどと印字されているとBBT工具と考えてください。
BBT工具を主軸に付けて、工具ツバと主軸端面の間に隙間があれば、BT主軸となります。
隙間の有無は、目視、隙間ゲージ(サーチャー・フィラーテープ)を通す、ライトを当てて光が抜けるなど慣れた方法でお試しください。

BTやBBTの主軸テーパ研磨につきましては「セルフ研磨事例」をご覧ください。

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詳しい説明はここからとなります
BTBBTなど混同されている場合がありますが
BTとは、7/24テーパ(というテーパ角度)で、BT主軸とBT工具がテーパのみで密着(+主軸コレットが工具プルスタットボルトを引っ張る)規格です
BBTは、7/24テーパ(というテーパ角度)で、BBT主軸とBBT工具がテーパと端面の2カ所で密着(+主軸コレットが工具プルスタットボルトを引っ張る)規格です。多くは二面拘束BBTと呼ばれ、BigPlus(大昭和製)やNBT(日研製)とも呼ばれています

BTBBTの違いは、(大雑把には)同じ7/24テーパですが主軸端面と工具ツバも密着するか否かとなります

ここで細かい事となりますがBT40とBT50にも違いがあることを含めて説明していきます
BT40とBT50は同じ7/24テーパですが、テーパの径や長さがまず違います

そしてBT40では主軸端面と工具ツバの隙間が2mmBT50では主軸端面と工具ツバの隙間が3mmあります
BBTではこの主軸端面と工具ツバの隙間がなくなり密着するので、
BBT40主軸はBT40主軸よりも端面が1mm飛び出て(作られて)おり、BBT40工具はBT40工具よりも工具ツバが1mm飛び出て(作られて)おり、
BT40ではあった2mmの隙間がBBT40ではなくなるようになっています
BBT50主軸はBT50主軸よりも端面が1.5mm飛び出て(作られて)おり、BBT50工具はBT50工具よりも工具ツバが1.5mm飛び出て(作られて)おり、
BT50ではあった3mmの隙間がBBT50ではなくなるようになっています

BT40とBT50の違い、BTBBTの違いの説明が終わったところで
BT主軸にBBT工具をつけると、端面部分に隙間ができてBTとして使えます
BBT主軸にBT工具をつけても同様に、端面部分に隙間ができてBTとして使えます

しかし、BT工具使用中は主軸端面に隙間がありキリコが付着する→BBT工具を使用する主軸端面が工具と密着するので、
先についていたキリコを噛んで主軸端面がキズになる、加工精度がでなくなるなど問題もでてきます
極力、BBT主軸に対してはBT工具のみかBBT工具のみを使うと良いことをセルフ研磨後にはお話しております